元警察本部警察官が教えます!

元警察本部警察官の管理人が警察についてあれこれ書いています。他にも法律、裁判、福祉等についても少々!

警察のパワハラ事情。巡査が上司を拳銃で殺害した事件の背景を推測する。

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1、巡査が、交番の巡査部長を射殺した事件

【彦根警察官殺害「馬頭されたので撃った」と逮捕の19歳巡査】

 

 私は今の職場や知人等、様々な人達からこの事件に関して意見を聞かれました。

 

 そして、私の周りの人達の大半は

「やっぱり最近の若い人はカッとなるとこんな感じになるのかな」

でした。

 

 正直私の意見は違います。

 現時点では、この流れに沿うような内容での、報道機関からの情報しか出て来ておらず、私が判断するために最低欲しい情報が一個も出てきていません。

 

 もちろん、拳銃を違法に使用したこと。人を殺害したことは完全に悪いことですけどね。

 

 

2、警察学校を卒業したばかり

 19歳の被疑者は警察学校を卒業したばかりだったそうです。

 ハッキリ言って、警察学校を卒業したばかりの人がただ単に普通に罵倒された程度でキレることはありません。

 

 警察学校では理不尽に、それよりも凄い罵倒を浴びせられまくっていたわけですから。

 この辺り警察学校の環境等についてはこちらをどうぞ!

【警察学校に関するマガジン】

 

 

 警察学校では実射の拳銃訓練だって行いますので、警察学校時代だって拳銃を人に向けようと思えば向けられます。

 

 その環境では人に向けず卒業した人が、何故罵倒で拳銃を人に向けたのでしょうか?

 

 この状況を見る限り、巡査部長からの罵倒は、仕事上の注意とか、叱るような普通の罵倒ではないと考えるのが自然かと思います。

 

 その内容が出てきていないので、安易に決めつけられませんが。

 

 

3、理想を潰す上司

 警察学校生や、警察学校卒業したての人が退職する理由で多いのが、理想と現実のギャップです。

 

 理想が高い人ほど、相勤者が酷い人だと絶望して退職します。

 

 実際に私も一度だけ酷い上司と組んでイガミ合っていた時期があります。

 

 あまり酷い部分はこのような場では言えませんので、それなりに軽度な部分だけですが、実際に私が上司にされたことを紹介します。

 

 

<「行くな!」との命令>

 110番通報(緊急通報)が自分達の交番管轄内で入りました。

 それに急いで向かおうとすると

「行くな!仕事を増やすな」

命令をされました。

 

 もちろん無視して現場に急行しましたが、これが新人では一人で事件・事故を処理できませんので、無視は出来ずに従うことになると思います。

 

 

<「勝手に行って死んでこい」>

 24時間の勤務が終わる直前の時間に110番通報。

 離婚した夫が酒を飲んで、妻の住んでいる家に来ている。

 玄関を破壊して侵入しようとしている。

 「助けて欲しい」

 と言う通報。

 

 私が行こうとすると上司は

「もう帰る時間だから、今日勤務の人に行かせろ。」

との命令。

 

 しかし、その時点では本日勤務の警察官はまだ警察署

 警察署から現場までは早くても30分掛かります。

 一方、明けの私が行けば2分で到着する場所でした。

 

 市民からしたら警察官が本日勤務か、明け勤務かなんて関係ないわけで、今すぐ助けを求める緊急の通報なわけです。

 

 そこで命令を無視して向かおうとしたら上司に

「俺は帰るぞ。俺の命令を無視しやがって、荒れた現場に一人で行って勝手に死んでこい」

と吐き捨てられました。

 

 

<「階級は?」>

 最初に言ったように、今私が紹介した経験談はまだ軽い方の話です。

 

 つまり、もっと酷い言葉や酷い扱いもされていました。

 当時私は、警察署内全ての部署に顔が利きました。

 

 明けに引き継ぎで各部署に顔を出すと、帰る頃には両手にお菓子を抱えているような状態でした。

「良く来たな!お菓子いるか?」と増えていくんです ^^;)

 

 そのような状態の私が、新しい上司に酷い扱いをされていると言うことで、警察署内でもかなり有名な話となりました。

 

 そこで、地域課(自分の部署)の課長に呼び出され話をしました。

 そこで言われた言葉です。

 

「お前が言っていること、やっていることは間違いなく正しいし、正論だ。で、上司の階級は何で、お前の階級は何だ?階級が低いなら上司に従え」

 

 他の課の人達は全面的に私の味方をしてくれていたので私は心情的には何とか耐え抜けました。

 しかし、自分が所属する課の人達は同期も含めほぼ全員が私を悪者として見ていました。

 

 後に異動で警察本部へ異動となり、離れられたので良かったですが。

 

 

4、環境が違ったらわからない

 警察は、そんな状態が普通に有り得る世界です。

 

「もしもその時に、他の課の人達も階級だけで上司を信じて私を敵視していたら?」

と考えたらゾッとします。

 

 そうだったら私も上司を殺した警察官として報道されていたかもしれません。

 そのようなことが普通に転がっている世界であり、私も酷い扱いを経験しています。

 

 そのため、この報道内容だけで19歳被疑者が

【最近の若者】

と言うことで、カッとなってキレやすいとは安易に決めつけられません。

 

 むしろ人となりの記事を見る限りでは真面目で、警察官に理想を持っているシッカリした若者に見えますが。

 

 とすると、もしかして表に出てきていない部分では・・・・

 

 

5、最後に

 もう一度言っておきます。

 

 拳銃を違法に使うこと。

 人を殺すことに関しては同情の余地はなく悪いことです。

 

 しかし、表に出てきていない部分で、私と同じような、又はそれ以上の酷い扱いを受けていたとしたら・・・気持ちはとても良く理解できます。

 

 私の場合は一人で全般的に仕事をこなせる状態で、変な上司に当たったので、無視と言う選択が出来ましたが、新人ではそれが出来ず更に追い込まれます。

 

 もちろん、学生時代は真面目を演じていただけで本当はキレやすい性格だった可能性も否定は出来ません。

 

 どちらの可能性もあり、どちらと判断できるだけの情報が何も出てきていないので、私はこの事件に対して現時点では

「何とも言えない。安易に意見できない」

となります。

 

 真相はどうなんでしょうね?

 

 

 警察業界ではありませんが、実際にパワハラを理由に自殺した職員もいるパワハラの実態に興味があれば、こちらの記事も併せてお読みください。

kaigofuta.com

 

 

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