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NHKとの契約は強制ではありません!自由意志で行えます! HNK受信契約訴訟の内容。

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はじめに

 (記事作成時点において)NHKの受信料支払い義務に関する最高裁判所の判決が出され話題となっています。

 

 しかし、多くの人は

【NHK受信料の支払いは義務】

との判決部分しか見ないで

「ふざけるな!」

と意見しているように思います。

 

 しかし、実際はそんなに単純な判決ではないようです。

 判決文を読むのが苦痛な人もいると思いますので、簡単に判決の内容をまとめたいと思います!

 

 なお、平成31年3月5日に、NHK受信料発生の対象がスマホ・パソコンにも拡大される閣議が決定されました。

 

 この閣議決定に関しての情報はこちらをお読みください。

【NHK受信料、スマホ・PCも対象に!?】

 

 

 

1、受信料の支払いは義務

 これは既に誰でも認識している内容かと思います。

 最高裁判所はNHKの受信料支払いは義務としました。

 

 そして、受信料によってNHKを運営することも合憲、つまり問題ないとしました。

 

 民放各局と違う運営体系としてむしろ必要だと言うことのようです。

 

 

2、契約は合意が必要

 この部分がかなり重要なのですが、支払いが義務と言っているだけで、

【契約を強制されるとは言っていません!】

 

 支払いは義務ですが、税金等と違い、契約は民法上の契約と同じで、双方の合意によって成立させなければならないとされました。

 

 つまり、

「NHKと契約したくない」

と思えば断れると言うことです。

 

「支払いが義務なんだから契約も義務ですよ!」

とNHKが言ってきたとしたらそれは貴方を騙そうとしている嘘です。

 

 むしろ、普段からそのような形で契約を取ろうとするから多くの人は合意契約したくないんだと思うんですけどね。

 

 このような契約に関しても規定している法律を少しでも知りたい貴方はこちらの記事も併せてお読みください。

 

www.policefuta.work

 

 

 

3、支払い義務が発生する時点

 それは契約時点です。

 つまり、合意契約をしない限り、受信料を徴収することは出来ないと言うことです。

 

 言い方は悪いかもしれませんが、契約をしなければ支払う必要はないとも解釈が出来る判決ですね。

 

 

4、支払いを強制されるケース

「契約時点から支払い義務が発生するけれど、契約は合意しない限り成立しないわけだから、実質的に拒否し続ければ支払わなくて良いんじゃん!」

と考える人がいるかもしれません。

 

 しかし、そうでもないんです。

 支払いは義務なので、NHKに

「支払え!」

と訴訟を起こされると契約しなくても支払わなければならないとされました。

 

 ここが普通の契約と違うところですね。

 普通の契約は、一端結んだ契約を破る等しないと履行命令は出ませんからね。

 

 ただし、これは一気に大勢に支払い強制は出来ないとされました。

 もっと分かりやすく言います。

 

 要は、NHKが支払いを強制する場合は、一人一人を訴えてその都度裁判で勝たないと支払いの強制は出来ないと言うことです。

 

 

5、支払う金額

 それはテレビの設置時点から滞納している金額全額だそうです。

 これはキチンと滞納せずに支払い続けている人達との公平を保つためだそうです。

 

 

6、時効は?

 多くの未契約者は支払いたくないから契約を拒否しているわけで、支払いを強制されたとしても、せめて支払い額は少なくしたいと思うものかと思います。

 

 特に長年未契約の人は支払いも高額になりますので死活問題ですよね。

 そこで気になるのが時効と言う制度だと思います。

 

 要は、

「支払いの時効が到来している分は支払わなくて良いんでしょう?じゃあ、支払いの時効は何年?」

が気になりますよね?

 

 ネットではこの判決を受けて

「5年で時効だからそれより前の滞納分は支払わなくて良いんだよ!」

と拡散している人を見掛けます。

 

 しかし、それは判決文を最後まで読んでいません!

 

 当判決では時効についてもキチンと言っています。

 

 NHKの支払い分はあくまでも設置時点から今まで全てです。

 つまり、

契約前の時点で時効によって支払い不要な期間は存在しません!

 

 時効の始まりの時期(起算点)は、契約時から進行すると明言しています。

 

 つまり、契約をしていない時点では、時効そのものが進行していない。

 つまり、

【契約をしていない状態だと時効は成立し得ない】

と言うことです。

 

 ただし、契約をしているけれど、長期間に渡り支払いをしていない場合は時効は進行し、その期間は5年としています。

 

 

7、支払わないことによる損害賠償

 民法は契約の不履行(契約による支払い等を行わない状態)をすると損害賠償を請求できるとしています。

 

 しかし、今回の判決では、NHKは受信料支払い拒否によって損害賠償の請求はできないとしています。

 

 つまり、長期間支払いを拒否していても本来支払うべき金額以上の請求は出来ないと言うことです。

 

 そこで、

「じゃあ、契約はしちゃって、長期間支払いを拒否し続ければ時効で安くなってお得じゃん!」

と考える人がいるかもしれません。

 

 しかし、支払いの催告(請求等)をされると時効はリセットされますので、実質的には契約してから時効によって安くするのは難しいと思います。

 

 

8、まとめ

◎ 受信料支払いは義務

◎ 契約は合意契約じゃなければ成立しない

◎ 支払いの強制は一人一人に対しての裁判でのみ可能

◎ 支払い金額は設置の時点からの全額

◎ 時効は成立しない

◎ 損害賠償等の割増請求はされない

 

 概ねこんな感じの判決内容です。

 

 この内容からすると、よっぽどの悪質者、又はかなりの高額滞納者以外は支払いを強制されないと言っているように感じますね。

 

 訴訟だって無料ではありませんし、NHKとしては勝訴したところで、本来受けられる受信料をそのまま受けることしかできないわけです。

 

 そうなると、最低でも訴訟金額を取り戻せるだけの高額滞納者以外を訴えるメリットがないですからね。

 

 これらを踏まえて、貴方はこの判決をどう思いますか?

 と言うことですね。

 

 ちなみに、余談ですが、この裁判はNHKの請求を棄却しているので、NHKが敗訴していますからね!

 

 

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