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【「一人で死ね」と言わない対策】 この対策は無意味!?

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1、川崎市登戸の通り魔事件

 神奈川県川崎市登戸にて、スクールバスを待っていた小学生と、その身守りをしていた保護者が殺傷された事件。

 

 犯行後に50歳代の被疑者は自身の首を切り、自殺を図り、搬送先の病院で死亡。

 

 被疑者死亡のため、現時点では動機等は不明も、仕事をしておらず、引きこもり傾向にあったとのこと。

 

 

 

2、動機の推測

 テレビ等では

「世間、社会への疎外感が根底にはあるのではないか?」

と言うことを言っていました。

 

 私もそれはあると思います。

 疎外感だけではなく、将来への不安。

 年齢的に不安と言うよりも恐怖かもしれませんね。

 

 そのような様々な環境や感情が複雑に絡まり合って、凶行に至ったと思います。

 

 

 

3、世間の意見

 これだけの事件ですので当然世間には様々な意見が飛び交っています。

 

<「一人で死ね」は言わないで>

 今主流になっている風潮は

「死ぬなら一人で死ね!他の人達を巻き込むな」

と言う類の言葉を言わないで欲しい。

 

 と言う意見ですね。

 何故か?

 

 死ぬ事を意識するまで追い込まれている人。

 しかも、社会からの疎外感が根底にあるとすると、この言葉を皆が口々に言い出すと、凶行を考えていない、同様の心情にある人達の理性が吹っ飛ぶからです。

 

 そして、更に社会から追いやられる感情に追い込まれ

「なら俺もやってやるよ!」

となり得るためですね。

 

 根本的に社会を恨んでいるんですから、その恨みを刺激したら逆効果ですよね。

 

 

<「一人で死ね」くらい言わせて>

 

 再発防止や模倣犯云々はともかく、世間の感情としては

「死ぬなら一人で死ねよ」

だと思う。

 そのくらい言わせてくれよ。

 

 と言う意見ですね。

 

 

 これも理解出来ます。

 世間が第二の犯人を出さないために追い込むような発言を自粛する動きは分かります。

 しかし、世間でそのような風潮になると被害者に近しい人達は感情を殺さなければならなくなります。

 

 今の日本は、世間一般の風潮から外れることを言うと基本的には袋叩きに遭いますからね。

 

 つまり、これらの議論は

【第二の犯人を生み出さないようにする】

【被害者に近しい人達の心情、心の救済】

のどちらの対策を取るか?と言う感じかと思います。

 

 難しい問題ですね。

 

 

 

4、私の意見 

<どちらか一方を支持するなら>

 あくまでも私個人の勝手な意見です。

 どちらか一方を選択しろと言うなら、圧倒的に後者です。

 

 つまり、被害者に近しい人達に心情を吐きださせてあげて欲しいと思います。

 世間では受け入れられないくらいドス汚い言葉でも吐きだして欲しいです。

 

 私は、前者の意見は論外だと思っています。

 理由は簡単です。

 

 今の日本人には前者の方法は無理だからです。

 この対策方法は、そもそもの話として、その言葉を言う、言わないの問題じゃないんですね。

 

 

<「一人で死ね」と言わない対策の本質部分>

「一人で死ね」と言わない対策とは、その言葉を言わないことが重要なのではありません。

 

 イジメとかハラスメントとして意図的に行うことじゃなくても、社会から疎外される人は出ます。

 

 そんな人達の心を世間の大半が理解し、受容できますか?

と言う対策方法なんです。

 

 そんな状態の人達の心を理解もせず、受け止めることも出来ずに「一人で死ね」と言う言葉だけを発しない対策をしても無意味なんです。

 

 世間の大半がその本質を何も理解できていないため無意味なんですね。

 それが出来るならかなり効果的だと思います。

 

 しかし、それが出来ずに、追い込むような言葉を発しないなんて表面部分だけでは無意味です。

 だからこの方法は今の日本では論外なんです。

 

「うつ病の人には頑張って等の応援はしてはいけない」

と同じレベルの表面的なことですね。

 

 一つテストをしましょう。

 紹介するこの記事を読んで

「そうなんだ!?」

と初耳の人が多いなら世間は理解出来ていません。

 

心理状態(作成中)

 

 

 そんな世間では前者の

「一人で死ねと言わない」

の対策はやっても無駄です。

 

 

<何も言わない>

 先程までの意見はあくまでも

【どちらかを選択するなら】

でした。

 

 二択じゃないなら、私的には

【誰も意見を言わない】

 これだと思います。

 

 事実報道は必要ですが、意見は不要です。

 それによって被害者側は世間を気にする必要はなく、本音を吐きだしやすくなりますからね。

 

 第二の犯人予備軍を追い込むこともありません。

 

 世間の意見がある方向に流れ、偏っていくと被害者側の人達はその流れに沿った感情しか吐き出せなくなります。

 

 世間の意見が被害者感情を抑制し、被害者側の心を殺すんですね。

 

 だから、無関係な世間は意見を言わない事が一番安定した方法だと思います。

 

 

 

5、防犯対策は?

<挨拶をする>

 何だかんだ言っても、世間的に重要なことは自分や自分の身近な人達が被害者にならないことです。

 要は防犯対策部分ですね。

 

 今回の事件について、疎外感が根底になるのが原因だと仮定した場合。

 

 今回のケースで、防犯対策で一番効果が期待できる方法は

【挨拶】

だと思います。

 

 恐らく被疑者は挨拶すらほとんどしていない生活だったと思います。

 社会の中で気兼ねなく挨拶をし合う環境だと疎外感はかなり薄まります。

 

 テレビでは

「昔のようなコミュニティの形成が重要」

なんて言いますが、非現実的すぎますし、逆効果です。

 

 疎外感から一人で籠ってしまう環境に置かれている人の多くは来訪者に恐怖すると共に嫌悪します。

 

 下手に昔のようなコミュニティを形成しようとすると嫌悪を増すだけです。

 

 これもその本質と言うか、被疑者の感情や心情を理解していない表面的な対策ですよね。

 

 そんな状態の人でもある程度受け入れられるコミュニケーションが挨拶です。

 立ち話は負担以外の何物でもないので、挨拶以外は不要です。

 

 しかし、必ず挨拶は交わす。

 

  今回のケースで小学生やその保護者が被疑者と挨拶をしていたのか分かりませんが、 何度も下見をしている可能性が高いなら、何度もすれ違ってはいるはずです。

 

 その都度挨拶を交わすんです。

 

 何十人~100人近い小学生が毎日並んでいると聞きました。

 そんなところから自分に対して毎日

「おはようございます」

の声が聞こえてきたらどうでしょうか?

 

 最初は恥ずかしいですし迷惑に感じるかもしれませんが、恨みが増すと思いますか?

 それが毎日、毎回です。

 疎外感が増すと思いますか?

 

 情が生まれど、憎しみや疎外感が増す可能性は低いと思います。

 

 この方法は防犯理論で一般的に言われている

【抑止力としての世間の目の挨拶】

とは違います。

 

 疎外感を失くす方法です。

 

 

<知らない人と関わらせない風潮>

「知らない人と関わらせないために、子供に挨拶はさせない」

 こんな風潮がありますね。

 

 キチンとした防犯の知識を持っていない親がこの指示をしているなら無意味な対策です。

 

【知らない人】

 この感覚を持っている時点でアウトです。

 大人の思っている

【知らない人】

子供の思っている

【知らない人】

は全くの別物です。

 

 犯人が狙うのはこの部分であって、挨拶をする、しないではありません。

 

 その適切な防犯知識はこちら

(現在作成中)

 

 これも

「一人で死ね」と言わない対策と同じですね。

 その本質的な部分を理解していない人達が表面的な部分をやっても意味がない対策です。

 

 そんな無意味な対策をするくらいなら、本質を理解していなくても効果の高い

【挨拶の習慣】

を構築した方が何千、何万倍も有意義です。

 

 

 

6、最後に

 犯人を追い込む、追い込まないなんて下らないことを何日間も考えるくらいなら、防犯をキチンと学んで下さい。

 

www.policefuta.work

 

 また世間の意見交換しかしないなら貴方は間違いなく、今回の事件もすぐ忘れます。

 

 そしてまた通り魔事件が発生すると

「どうしたら良いの?こんなの防ぎようがないじゃん」

と同じことを何度も口にします。

 

 全くもって無意味ですよね。

 

 今貴方がやるべきは、世間の熱に乗っかって自称正義感を振りかざすことではなく、これを機に防犯を学ぶ事かと思います。

 

 防犯を学び、事件ごとに対策を考えるとその事件のことは忘れません。

 

 それこそ事件を風化させず、教訓にして活かすと言うことではないのでしょうか?

 

 

 

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